前回記事で中学入試算数の重要分野である食塩水の問題(濃度算)を取り上げました。
その中で、濃度算を解くために「てんびん図」を用いました。
濃度算を解くおすすめの方法とは?
てんびん図って何?
自宅学習をしていて感じる、そんな疑問にこの記事で答えます。
てんびん図の使い方
濃度算の解き方
食塩水の濃度などの濃度に関する問題を、「濃度算」と言います。
そのままですね。
解き方としては、
- 食塩の量に注目して解く
- 面積図
- てんびん図
- 方程式
などの方法があります。
方程式は、中学受験算数においては基本的におすすめしません。
(詳しくは過去記事をご覧ください)
家庭学習ではすべての問題をちゃんと方程式で教える覚悟があれば方程式を使っても良いと思いますが、なかなか難しいですよね。
なので、基本的には1-3のいずれかの方法になると思います。
どの方法が良いのか……。
中学受験の濃度算、特に入試レベルになってくるとてんびん図が最もおすすめです。
てんびん図とは
てんびん(秤、シーソーのイメージでも良いです)の図を書いて問題を解く方法です。
具体的な問題を例に挙げて、てんびん図を説明していきます。
(例題1)
6%の食塩水200gと12%の食塩水100gを混ぜた時、できる食塩水の濃度をてんびん図を用いて求めなさい。
(解答)
てんびん図は下の図のようになります。
各項目(食塩水の濃度、食塩水の量、食塩水の濃度の差)を書く上下の位置に決まりはありません。
混ぜる食塩水の項目(濃度、量)をてんびん図の左右に、できた食塩水の項目を中央に書きます。
ここでてんびん図の最も重要なこと。
食塩水の量の比と食塩水の濃度の差の比が逆比になります。
ちょっと何言ってるか分からない?
具体的に見ていきましょう。
図では混ぜてできる食塩水の濃度を書いてしまっていますが、てんびん図を用いずに先に答えを求めます。
食塩の量に注目すると、6%の食塩水中には食塩は12g、12%の食塩水中にも食塩は12g含まれ、合計24gです。
食塩水は合計300gになるため、濃度は24÷300×100=8%となります。
これを使っててんびん図の説明をしていきます。
6%の食塩水の量は200g、12%の食塩水の量は100gなので、比は200:100、つまり2:1になります。
濃度8%食塩水の濃度の差は2:4、つまり1:2です。
このように、食塩水の量の比と食塩水の濃度の差の比は逆比になっています。
これを使って改めて濃度を求めていきます。
食塩水の量は6%のものが200g、12%のものが100gです。
量の比は200:100、つまり2:1となります。
食塩水の濃度の比は量の比の逆比となるため、1:2と分かります。
合計の3にあたる濃度が12-6の6%であるため、実際は2:4であることが分かります。
よって、答えは6+2=8%となります。
少し慣れが必要ですが、慣れるとこの程度なら数秒で解けるようになると思います。
(例題2)
3%の食塩水200gと①%の食塩水100gを混ぜると5%の食塩水ができました。
①を求めなさい。
(解答)
この問題もてんびん図を用いて解きます。
食塩水の量の比は200:100、つまり2:1です。
これの逆比の1:2と2:①-5が等しくなります。
比の内項の積と外項の積は等しいため、2×2=(①-5)×1
ここから4=①-5
つまり①=9と分かります。
まとめ
食塩水の問題(濃度算)を解くうえでおすすめの方法、てんびん図を解説しました。
今回の例題は簡単な問題だったため何を使っても簡単に解けますが、入試レベルの問題ではてんびん図の効果が出やすいと思います。
(前回紹介した食塩水の問題も入試問題としては比較的簡単ですが、参考にしてみてください)
今後も今回のように算数のちょっとした解き方などの小ネタを扱っていこうと思います。
取り上げて欲しい小ネタがあればコメント頂けるとありがたいです。