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親子で挑んだ中学受験体験記と小中高生の勉強解説

灘中の算数 2020年1日目大問6 時計算風の問題

 灘中の算数入試問題を不定期に解説しています。

 

(最新の2023年過去問は以下の過去記事を参照ください)

kishi-john.hatenablog.com

kishi-john.hatenablog.com

 

 今回は2020年1日目の6番、時計算に類似した考え方を使う問題です。

 標準的な難易度の問題ですが、目新しく見える問題でも基本的な時計算のような考え方を使って冷静に対処できるかがポイントだと思います。

 

 灘中入試算数1日目は60分で12、3問を解く必要があり時間との勝負です。

 灘中受験生は、この問題のように標準的な難易度の問題はミスなく解きたいところです。

 

 灘中受験を考えていない受験生でも、面白い問題なので解いてみてはいかがでしょうか。

この記事で分かること 灘中の算数   2020年  1日目大問6 の解説
標準的な難易度の時計算に類似した問題の解き方

 

2020年  1日目大問6 難易度★★★☆☆

灘中学2020年算数1日目中学入試問題より引用

 この問題は数字を書いた円盤が回転するという、時計算のような問題です。

 時計算は短針・長針が時間当たり何度進むか考えるのに対して、この問題では円盤がどれだけ回転するか、書いてある数字の異なる板のどこに来るのか考える必要があります。

 

①の考え方

 円盤には0-8の数字が書かれており、数字と数字の間は9個あります。

(意外と勘違いしやすそうですが、数字は9個あるので間も9個です)

 このため、円盤の目盛1つ分の角度は360÷9=40度です。

 同様に板は数字10個なので、目盛一つ分の角度は36度です。

 

 円盤は1時間で1回転(360度回転)するため、1分では6度回転しています。

 仮に円盤の1つの数字ぶんだけの角度(40度)動く(板の0の目盛に円盤の1の目盛が合わさる)のに必要な時間を考えると、40÷6より6分40秒です。

(これは1時間(60分)の1/9だけ回転する、と考えて6分40秒と計算することもできます)

 

 この問題で聞かれている、板の7の目盛と円盤の8の目盛が合わさるためには何度回転するか考えます。

 板は0から見て目盛3つ分、つまり36×3=108度回転した位置となっています。

 これに対して円盤は0から見て目盛1つ分、つまり40度回転した位置から回転を始めるため、実際に回転する角度は108-40=68度となります。

 

 1分間に6度回転するため、求める時間は68÷6より①は11分20秒と分かります。

 

②・③の考え方

 ①の時点(11分20秒後)のさらに40分40秒後なので、最初の状態の52分後と分かります。

 1分間に6度回転するため、このとき最初の状態から312度回転しています。

 

 312度回転した時に円盤と板のどの目盛が合わさるかということを考えるには、①の考え方を利用します。

 

 板の特定の数字まで0から見て目盛〇個分回転する必要があるとすると、(36×〇)度回転していることになります。

 また、円盤は0から見て目盛△個分、つまり(40×△)度回転した位置から回転を始めると考えられるため、実際に回転する角度は(36×〇)-(40×△)=312度となります。

 

 このようになる〇と△の組み合わせを考えます。

 上の式は、312+(40×△)=(36×〇)と書き換えることが出来るので、式の左辺の1の位の数字は2と分かります。

 

 右辺の1の位も2と分かるので、36×〇、つまり6に何かをかけて1の位が2になる数字を考えます。

 これは2、7、12、17、22……と1の位が2または7になる場合です。

 左辺が312より大きいため、12以上の数字と考えられます。

 

 〇=12のとき、36×12=432となり、△=3が条件を満たします。

(ちなみに〇=17のとき、条件を満たす△はありません)

 〇=12、つまり板は0から見て目盛12個分回転した位置であり、板の目盛(②)は8と考えられます。

 

 また、△=3、つまり円盤は0から見て目盛3個分回転した位置から回転を始めるため、円盤の数字(③)は6と分かります。

 

②・③別解

 上の解答で312度回転すると分かるところまでは同様です。

 ①を利用せず、この状況を考えていきます。

 

 板の〇という数字と円盤の△という数字が合わさるとします。

 このとき、円盤が△から0まで回転する角度と板の0から〇までの角度を足すと312度となっているため、

36×〇+40×△=312 となります。

(上の式は厳密には正確では無いのですが、イメージしやすさを優先して板の〇から0までの角度を36×〇、円盤の0から△までの角度を40×△としています。下の図の0から〇までの角度と△から0までの角度の和が312度となります)

②・③別解図

 

 36×〇の1の位が2になると考えられるため、〇は2または7になります。

(〇が12以上であれば312より大きくなるため不適)

 〇=7のとき、これを満たす△は無いため、〇=2となります。

 このとき、△=6となります。

 

 〇=2、つまり板は0から見て目盛2個分回転した位置であり、板の目盛(②)は8と考えられます。

 

 また、△=6、つまり円盤は目盛6個分回転すると0になるため、円盤の数字(③)は6と分かります。

 

最後に

 時計算の考え方を使いながらも、時計算とは微妙に異なるその場で考える必要がある問題でした。

 文字にすると若干伝えにくい部分があったのですが、難易度としてはやや簡単~標準的な問題と言えるのではないかなと思います。

 

 中学受験を考えているほとんどの方は塾などの問題集を解いていると思うのですが、当ブログでも以下の記事の様に各教科ごとのおすすめ問題集などを紹介しているため良ければ参考にしてください。

kishi-john.hatenablog.com

 

 当記事をご覧の受験生や保護者の方に、少しでもお役に立てれば幸いです。

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