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親子で挑んだ中学受験体験記と小中高生の勉強解説

灘中の算数 2020年1日目大問4 日暦算・条件の整理

 灘中の算数入試問題を不定期に解説しています。

(最新の2023年過去問は以下の過去記事を参照ください)

kishi-john.hatenablog.com

kishi-john.hatenablog.com

 

 今回は2020年1日目の4番、日暦算ならびに条件の整理に関する問題です。

 一見非常にややこしそうですが、落ち着いて一つ一つ考えていくとそれほど難しい問題ではありません。

 標準的な難易度の問題なので、曜日のずれなどのミスをしないことがポイントだと思います。

 

 灘中入試算数1日目は60分で12、3問を解く必要があり時間との勝負です。

 灘中受験生は、この問題のように標準的な難易度の問題はミスなく解きたいところです。

 

 灘中受験を考えていない受験生でも、考え方の練習として面白い問題なので解いてみてはいかがでしょうか。

 

この記事で分かること 灘中の算数   2020年  1日目大問4 の解説
標準的な入試レベルの日暦算(条件の整理)の問題の解き方

 

2020年  1日目大問3  難易度★★★☆☆

灘中学2020年算数1日目中学入試問題より引用

 6月も9月も30日までであることに注意

(31日まででは無い月の覚え方は、2・4・6・9・11(西向く士(さむらい)、士が11と似ていることから))

 

 30日間の土日の最小日数は8日、最大は10日です。

 

 6月の方が9月よりも作った製品が多いことから、6月の方が土日が少ないことが分かります。

 よってこの問題で土日日数の組み合わせとして考えられるのは、以下の3通りです。

 

土日の日数

  • 6月:8日、9月:10日
  • 6月:8日、9月:9日
  • 6月:9日、9月:10日

 

 また、6月~8月で92日(30+31+31)あることから、6月1日と9月1日の曜日のずれは1日と分かります。

(92÷7=13あまり1、つまり9月1日は6月1日より1日分次の曜日になる)

 

 他の考え方として、7月と8月で62日あることから、7月と9月の曜日のずれは1日と考えることもできます。

(62÷7=8あまり6、つまり6日曜日が遅くなる(1日早くなる))

 その他に、6月30日から9月1日までで63日(ちょうど9週間)あると考えて、6月30日と9月1日が同じ曜日になると考えても良いと思います。

 

 少し分かりにくい人のために、例として6月1日が月曜日であるカレンダーを書いてみます。

(カレンダーを見なくても分かる人は、この説明の部分を飛ばしてください)

(この問題が考えやすいように月曜日始まり、土日赤字にしています)

(例)6月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

 

9月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

 

 このように、6月1日が月曜日の場合は9月1日は火曜日、6月1日が日曜日の場合は9月1日は月曜日となります。

 

 次に1日の曜日と土日の日数に注目してみます。

 

 1日が土曜日の場合、土日は10日になります。

 1日が金曜日もしくは日曜日の場合、土日は9日に。

 それ以外の場合、土日は8日になります。

 

 ここで、6月と9月の曜日のずれは1日だけのため、土日の日数が6月は8日、9月は10日というパターンがあり得ないことが分かります。

(土日が10日あるためには、1日が土曜日である必要があります。9月1日が土曜日の場合、6月1日は金曜日となるので土日は9日となり矛盾します)

 

 つまり、土日の数は「6月が8日、9月が9日」、もしくは「6月が9日、9月が10日」のいずれかです。

 

 ここで問題文より、6月に作った製品の方が9月に作った製品より6個多いので、平日に作る製品の数と土日に作る製品の数の差が6個と分かります。

 

 土日の数が6月が8日、9月が9日の場合、仮に毎日平日とすれば30日で366+6×9=420個の製品を作ることができ、その場合平日に作る製品は420÷30=14個です。

(この場合、土日に作る製品の個数は14-6=8個と分かります)

 

 同様に、土日の数が6月が9日、9月が10日の場合、仮に毎日平日とすれば30日で366+6×10=422個の製品を作ることになり、1日当たりの製品の個数を割り切ることができません

 よって、不適と分かります。

 

 土日の数が6月が8日、9月が9日と分かったので、曜日を求めていきます。

 上述の通り、9月1日は金曜日もしくは日曜日です。

 9月1日が日曜日の場合、6月1日が土曜日となり6月の土日日数が10日になるので不適です。

 よって、9月1日は金曜日、6月1日は木曜日と分かります。

 

 次に、7月1日は6月1日より曜日が2日ずれます

(6月が30日であり、7で割ると2余るため)

 

 よって、7月1日は土曜日、7月の平日は21日、土日は10日と分かります。

 上述の通り、平日に14個、土日に8個の製品を作るので、7月に作る製品は

14×21+8×10=374個 と分かります。

 

最後に

 日暦算としては比較的基本的な内容だと思うのですが、条件を整理して絞り込めるかどうかがポイントです。

 非常に難しくも簡単でも無いため標準的な難易度としましたが、難易度の評価が分かれる問題なのではないかと思います。

 

 ところで、灘中の過去問紹介の際などに問題集紹介を併せて行ってきたのですが、同じ内容の重複が出てきたりして却って読みづらいのではないかと思われます。

 そこで前回記事で計算問題に関する問題集などを紹介したのですが、今後は主に算数の分野ごとの問題集紹介を別記事で行っていこうと思います。

 近日中に日暦算などの問題集を紹介するつもりです。

(過去記事も順次更新していきます)