計算問題は中学受験で非常に重要な単元の一つです。
当ブログでしばしば取り上げている灘中学でも毎年計算問題は出題されていますし、灘中に限らずおそらくどの中学でも計算問題は毎年出題されると思います。
計算問題は入試の際に必ず解きたい(解けなければ他の受験生に差を付けられる)だけでなく、計算問題が得意になることで他の問題を解くスピードアップにもつながることが期待できます。
そこで今回は、計算問題が得意になるための勉強法やおすすめのドリル、問題集を紹介します。
算数計算問題対策
算数計算問題の勉強法
計算力は非常に重要
計算問題は算数の基本ですし、算数の他の問題を解くうえでも非常に重要です。
当ブログで以前に紹介した通り、中学受験で最も重要(=差がつく、合否を分ける)な教科は算数です。算数の成績を伸ばすという意味でも、計算力を身につけるのは有効です。
(以下の過去記事もご覧ください)
さらに、中学、高校と進学するにあたっても計算が得意であれば非常にメリットがあります。
どのように計算力を伸ばすか
計算問題が苦手……。
中学受験を考えていてもいなくても、結構そういう人は多いと思います。
うちの次男がまさしくそうでした。
我が家が中学受験に臨むと決めた時、次男の計算問題への取り組みを見ていると次のような特徴がありました。
- ほとんど計算問題を解かない。
- 計算問題を解くときもダラダラと時間をかけている。
- 簡単すぎる問題を解き続けている。
- 計算の途中式を書かない。
- 暗算をしない。
- 計算の工夫をしない。
それぞれを反面教師として、どのようにすれば計算力がアップするか考えていきます。
1. 計算力を伸ばしたいのであれば、計算問題を解かなければいけません。
計算力は適切な努力(=問題演習)をすれば必ず伸びます。
1日10分~15分程度でも良いので、計算問題を継続して解くことをお勧めします。
参考までに当記事後半におすすめの計算ドリルや問題集を紹介します。
2. ではどのように問題演習するべきなのか?
計算力とは、正確に短時間で計算できることだと考えています。
短時間で解く意識を持つため、計算問題はダラダラと時間をかけるのではなく、問題を解く時間を区切るべきです。
普段から時間を計って(時間を意識して)計算問題を解く意識をするのが良いと思います。
3. また、適度な難易度の問題を解かなければいけません。
基礎固めと称して簡単な問題を解き続ける場合があるようですが、簡単すぎる問題をいくら解いてもあまり計算力アップに繋がりません。
ケアレスミスを含めて正答率8-9割程度の問題を解くのが良いと思います。
(正答率がそれ以下になる場合、計算問題としては難しすぎて継続困難だと思います)
4. さらに、計算を解くだけでなく見直しする習慣も必要です。
見直しの際に重要なのが途中式。
途中式が無ければどのように答えの数字が出てきたのか分かりません。
途中式を省略することで一見時間を短縮しているようですが、見直しを含めると余計に時間がかかることになります。
省略して良い途中式、見直しのために必要な途中式を考えて途中式を書くようになるのが理想です。
5. 今の途中式と矛盾するようですが、計算は可能な限り暗算で行う方が良いと思います。
ミスしないように筆算を書くことを推奨する人も居るようですが、暗算することで飛躍的に計算のスピードが上がります。
普段から可能な限り暗算することで暗算の精度を高めておくと、慣れれば筆算する場合と計算ミスの程度も変わらないように思います。
6. 暗算を多用するようになると、計算を工夫する癖もつきます。
例えば12×13を計算するときに、暗算で計算するには以下の様に考える方法もあります。
12×13=12×(10+3)=12×10+12×3=120+36=156
実はやっていることは筆算と全く同じなのですが、考え方の工夫で筆算を書く手間が省けます。
入試レベルの計算問題では単純に計算すれば良いという問題の方が少なく、計算に何かしらの工夫が必要なものがほとんどです。
当記事で紹介するような入試レベルの問題集を解くことで計算の工夫に慣れることも必要ですが、普段から計算を工夫して解く意識が非常に重要です。
また、暗算の工夫に関しては次のような本も非常に参考になると思います。
計算ドリル・問題集紹介
低学年や計算が苦手な高学年の場合、まずは四則計算を正確に短時間でできることを目指す必要があります。
そういった目的の場合、市販(もしくは塾の)ドリルを使って問題演習を繰り返すのが良いと思います。
ただ、計算ドリルが解けても入試レベルの計算問題はなかなか解けません。
入試レベルの計算問題を解くためには、計算の工夫などさらに踏み込んだ内容が必要になります。
当記事では、そういった入試レベルを目指すためのおすすめの計算問題集も紹介していきます。
おすすめ計算ドリル
100マス計算ドリル [フォーラムA編集部]
言わずと知れた100マス計算。
(ドリルと言えるかは微妙ですが)
問題量が一定のため、解くのに要した時間を計る(比べる)などがしやすい点で、時間と正確性を意識するのに最適な一冊です。
くもんの小学ドリル 算数 [くもん出版]
公文式の算数教材から作られているドリルです。
公文式はスモールステップと呼ばれる、似たような問題を繰り返し解きながら新しい問題に少しづつ取り組むという方式のため、計算の基本をマスターするには最適です。
学年別、単元別に分かれており、自分に必要な内容をチョイスしやすいのも良いですね。
難しすぎることがないため、自宅学習に慣れていない低学年の子供でも取り組みやすいと思います。
リーダードリル 算数計算 [四谷大塚]
くもんの小学ドリルよりやや難しいレベルの計算ドリルです。
学年別に出版されており、1回20-40問が60回分なので毎日やれば1冊が2か月で終わる計算になります。
入試レベルの基礎まで身につくと言われており、基本的なドリルを卒業して入試レベルの計算問題を解く前に挑むのに最適な難易度だと思います。
おすすめ問題集
マスター1095題 一行計算問題集シリーズ [日能研ブックス]
基本的には計算ドリルに近い性質の問題集なのですが、1日の問題量は「3問」。
1095問収載されており、1日3問でちょうど1年間で終わるようになっています。
1日分の目標時間は10分以内であり、他の勉強の邪魔にもなりにくいと思います。
ごり押しで解かないといけない問題や、計算の工夫が必要な問題などが適度にちりばめられており、中学入試の計算に必要な計算力はこのシリーズを解くことで養うことができると思います。
4年生以上では中学入試に関連するような問題も取り上げられており、入試を目指す受験生であればやっておいて損が無いと思います。
中学入試基礎ドリ 算数 計算問題 [文英堂]
計算問題は繰り返しが基本ですが、ある程度以上のレベルになってくると計算の工夫をいかに上手に使えるかも重要です。
この基礎ドリシリーズは、ヒントを見ながら穴埋め問題を解いていく1回目から入試問題の4回目まで、同単元を4回繰り返す構成になっています。
入試レベルの計算問題を解くうえで必要な解法のコツが無理なく学べるため、非常におすすめです。
問題をコピーして繰り返し解けるようにしている作りも、親切で良いですね。
中学入試 分野別集中レッスン 算数 計算 [文英堂]
このシリーズも基礎ドリと同様に、基本的な項目から入試基礎レベルまで網羅する内容となっています。
(出版社も同じなんですね)
また、これも基礎ドリと同様なのですが比較的薄いため、子供が終わらせるというモチベーションを持ちやすいのも良いです。
なんと2週間で終わるという分量なのに、中学入試レベルの計算問題に必要な最低限のエッセンスは詰め込まれておりおすすめです。
中学入試でる順過去問計算合格への920問 [旺文社]
パパ塾をしている際に、個人的にでる順シリーズはとても重宝していました。
というのも、分野別に入試レベルの基本~標準的な良問が掲載されており、単元の理解に非常に有用だったからです。
この計算も例にもれず単元ごとに良問が揃えられており、計算の工夫など入試レベルの計算問題を解くための基本がわかっている層の問題演習におすすめです。
中学入試チャレンジ問題 算数 計算問題 [受験教育社]
中学入試中堅校からやや難関校レベルの計算問題がかなりのパターン網羅されている、入試レベルの計算問題を解くうえで最適な問題集です。
□を求める問題や虫食い算など、中学入試頻出の計算問題だけでなく、数列の問題や数の性質などかゆいところに手が届いた問題も掲載。
さらに文章問題で必要な計算なのか、割合や速さの問題も載っているため非常におすすめな問題集です。
(我が家の近くだけかもしれませんが、最近本屋さんに置いていません……。Amazon等では買えるようなので、興味があれば以下のリンクから探してみてください)
最後に
今回は中学受験算数での計算力アップに向けて、勉強法やドリル・問題集を紹介しました。
計算力は中学受験に限らず重要であるため、中学受験以外でも計算力を伸ばしたいと考えている方は参考にしていただけると幸いです。
また、冒頭で述べた通り、当ブログは灘中の算数を取り上げており(数は少ないですが)灘中の計算問題も解説しています。
興味がある方は、以下の過去記事もご覧ください。
また、繰り返しになりますが、中学受験算数は中学入試で最も重要な教科だと考えています。
計算問題に限らず、様々な分野を伸ばしていかなければいけません。
塾に通っていてもなかなか算数の成績が伸びない、ましてや家庭学習であれば尚更難しいなんてこともあると思います。
そのような場合、以前に当ブログで紹介した「RISU偏差値リカバリー」もおすすめです。
興味がある方は以下の記事もご覧ください(クーポンコードもあります)。