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親子で挑んだ中学受験体験記と小中高生の勉強解説

灘中の算数 2022年 2日目大問1 (数の性質)

 前回から灘中入試問題算数の解説記事を不定期に上げています。

kishi-john.hatenablog.com

 

 灘中の入試は2日間開催され、2日間の合計点で合否が決まります。

 算数は1日目、2日目ともに入試科目となっており、算数のできが非常に重要です。

 

 今回は前回と同様に2022年の入試問題2日目から、数の性質の問題です。

 数の性質の問題は難関校、特に灘でよく出題されます。

 

 問題の解説の後に、数の性質を解くうえで役に立つ問題集も紹介しているので参考にしてください。

 

 また、過去記事で2023年入試問題の解説もしているため、興味があればごらんください。

kishi-john.hatenablog.com

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2022年  2日目大問1 難易度★★★☆☆

 数の性質の標準的な難易度の問題です。

 

 最初は問題文の条件の意味がよく分からなくても、焦らなくて大丈夫。

 実際に数字を当てはめることでどういうことが言いたいのか考えていきましょう。

 

灘中学2022年算数2日目中学入試問題より引用

(1)

 【x】がどういうものか初見ではよく分からないため、x=2から数字を当てはめていきます。

 

 X=2のとき、【2】=1+2=3

 X=3のとき、【3】=1+3=4

 X=4のとき、【4】=2+2=4

 X=5のとき、【5】=1+5=6

 ……

 書いているうちに気付くと思うのですが、xが素数のとき【x】>x となります。

 

 そのようなxは小さいものから2、3、5、7となります。

(2)

 【x】=12 となるものを考えます。

 

xが素数のとき

 (1)から、xが素数のときx+1=12

 これを満たすxは存在し、x=11と分かります。

(存在しない可能性もあることに注意)

 

 

 次に、素数以外の場合を考えていきます。

 素数ではないので、一番小さい約数は1、一番大きい約数はその数字自体(x)となります。

 

 2番目に小さい約数を2から順に考えていきます。

 

2番目に小さい約数が2のとき

 2番目に大きい約数は12-2=10となります。

 そのような数は2×10=20となり、x=20と分かります。

 

2番目に小さい約数が3のとき

 2番目に大きい約数は12-3=9となります。

 そのような数は3×9=27となり、x=27と分かります。

 

2番目に小さい約数が4のとき

 そもそも4自体が2という約数を持つため、2番目に小さい約数が4になることはあり得ません。

 このことから、2番目に小さい数は素数と分かります。

 

2番目に小さい約数が5のとき

 2番目に大きい数は12-5=7となります。

 そのような数は5×7=35となり、x=35と分かります。

 

 よって答えは、11、20、27、35となります。

(3)

 (1)の考え方から、xが素数であれば【x】は大きくなるため素数は省いて考えてよさそうです。

 

 また、(2)より【x】=(2番目に小さい約数(素数))×(2番目に大きい約数)です。

 2番目に小さい約数(素数)を考えていきます。

 

2番目に小さい約数が2のとき

 【50】以上で最小のものは【50】=2+25=27となります。

 

2番目に小さい約数が3のとき

 【50】以上で最小のものは【51】=3+17=20となります。

 

2番目に小さい約数が5のとき

 【50】以上で最小のものは【55】=5+11=16となります。

(【50】は? と思うかもしれませんが、【50】=2+25=27 であることに注意。このあたりで2番目に大きい数も素数のとき【x】が小さくなることに気づきたいですね)

 次に小さいものは【65】=5+13=18となります。

 

2番目に小さい約数が7のとき

 【50】以上で最小のものは【77】=7+11=18となります。

(【56】=2+28=30であることに注意)

 

2番目に小さい約数が11のとき

 【50】以上で最小のものは【55】、次が【77】となり、既出の数です。

 

 つまり、これ以上に小さい数はないと考えられるため、最も小さい数は16、2番目に小さい数は18というのが答えになります。

数の性質 問題集の紹介

 数の性質の問題は、苦手な子は非常に苦手意識が強い気がします。

 うちの子どもがそうでした……。

 

 ただ、今回の問題は一つ一つ丁寧に場合分けして考えれば、実はそれほど難しくありません。

 

 色々なパターンの問題を解くことが難問を解くコツなので、今後灘受験を考える方はたくさんのパターンの問題を解いてみてください。

 

 数の性質を解くうえで、おすすめの問題集を挙げてみます。

 参考にしていただければ幸いです。

 

4~5年生向け

 4年生くらいで数の性質を学び始める頃、または苦手を復習目的の5年生くらいを想定しています。

 目指す学校の難易度により学年は前後すると思います。

 

合格する算数の授業 数の性質編 [実務教育出版]

 中学受験専門塾の授業内容を再現しているという内容は、先生と生徒の会話形式で分かりやすくなっています。

 内容自体、基本的な事柄からかなり発展的な内容まで含むので、数の性質を初めて勉強する子だけでなく、幅広い層におすすめの一冊です。

 解説が詳しいので、家で教えようという親にも優しい作りになっています。</p

 

単元別基本問題集基本の制覇 数の性質 [富士教育出版社]

 数の性質の範囲の基本的~標準的な問題を集めた問題集です。

 基本的な数の性質の内容を家庭学習で問題演習をしたい場合や、塾の問題集に+αしたい場合におすすめです。

 

5~6年生向け

算数プラスワン問題集 [東京出版]

 難関校を目指す子どもが、5年生後半頃、一通りの勉強が終わりさらに発展的な内容に取り掛かる前におすすめなのがこの算数プラスワン問題集です。

 また、中堅校志望の6年生が一通りの復習をする目的で使用するのもおすすめ。

 様々な領域の問題が収載されていますが、数の性質の復習にも良いです。

 入試に必要な「何を使って解くのかの見極め」をする力を養成することを目標としており、自宅学習メインの子は当然として塾に通われている子にもおすすめです。

 

難関校受験6年生向け

算数 合格へのチャレンジ演習 [東京出版]

 難関校受験生におすすめしたいものの一つに、月刊誌「中学への算数」があります。

 それ自体の定期購読もおすすめなのですが、この合格へのチャレンジ演習は「中学への算数」の中でも難しい「発展演習」で取り上げられた問題が厳選されています。

 数の性質に関する問題も取り上げられており、難関校受験生にはチャレンジしてほしい問題集です。