灘中の算数入試問題を不定期に解説しています。
(最新の2023年過去問は以下の過去記事を参照ください)
今回は2020年1日目の2番、割合に関する問題です。
易しい難易度の問題なので、計算ミスしないことがポイントだと思います。
灘中入試算数1日目は60分で12、3問を解く必要があり時間との勝負です。
灘中受験生は、この問題のように易しい問題はミスなく短時間で解きたいところです。
灘中受験を考えていない受験生でも、易しい難易度の問題なので解いてみてはいかがでしょうか。
2021年 1日目大問2 難易度★☆☆☆☆
解法
(消費税8%の場合の値段):(消費税10%の場合の値段)=54:55
これらの値段を54、55と表記するものとします。
この場合の消費税抜き価格は50と表記できます。
1000円で、店内飲食(消費税10%)で5個食べることができないので、
55×5=275 つまり、275>1000 と分かります。
ここから、消費税抜き価格(50)は次のように表せます。
50>1000÷275×50
50>181.8
また、1000円で、店内飲食(消費税10%)で4個食べて1個持ち帰り(消費税8%)することができるので
55×4+54=274 つまり、274<1000 と分かります。
ここから、消費税抜き価格(50)は次のように表せます。
50<1000÷274×50
50<182.4
つまり消費税抜き価格の候補は182円と考えられます。
時間が無ければここで182円と答えを書いて終わりで良いですが、検算もしてみます。
検算
消費税8%の場合の値段は182×1.08=196.56円
消費税10%の場合の値段は182×1.1=200.2円
店内で5個食べた場合の(消費税10%の)合計金額は、200.2×5=1001 円
店内で4個食べ(消費税10%の)、1個持ち帰った(消費税8%)合計金額は、200.2×4+196.56=997.36 円
1円未満切り捨てなので、997 円となり、条件を満たします。
(問題文に合計金額から1円未満を切り捨てと書かれていることに注意。1個1個の商品の値段で1円未満を切り捨てにするわけではありません)
以上から答えは、182円と考えられます。
割合の問題 問題集の紹介
割合(比)の問題は中学受験で非常に重要なテーマの一つです。
この問題はかなり素直な問題なので、難関校志望者以外でも受験生は確実に正解したいところです。
この問題に詰まってしまった人は、まずは基本的な問題をしっかり解けるように対策しましょう。
この問題はできたという人でも、さらに色々なパターンの問題を解くことが難問を解くコツです。
今後灘などの難関校受験を考える方はたくさんのパターンの問題を解いてみてください。
何度も紹介しているものばかりですが、算数のおすすめの問題集を挙げてみます。
参考にしていただければ幸いです。
基本~標準
4年生くらいで数の性質を学び始める頃、または苦手を復習目的の5年生くらいを想定しています。
目指す学校の難易度により学年は前後すると思います。
きょうこ先生のはじめまして受験算数 数・割合と比・速さ編 [朝日学生新聞社]
朝日小学生新聞で連載され、好評だったシリーズの書籍化です。
別冊の「図形・場合の数編」とともに勉強を始める初期の人や、苦手範囲を理解したいという人に分かりやすく解説しているため非常におすすめです。
この本を使用することで入試基礎レベルまでは理解することができると思います。
また、著者のYouTube動画も秀逸なため、併せて視聴するとより理解が深まると思います。
中学受験ミラクル算数 特殊算 [友人社]
数の性質や和と差に関する問題など○○算、いわゆる特殊算ばかりを集めた問題集。
割合に関する範囲では、相当算や倍数算、売買損益算に加えて、比較的割合が苦手な子が避けがちな食塩水の問題などが収載されています。
基本的な問題から受験の標準的なレベルまで、これ一冊でかなりの範囲をカバーできるのでおすすめの問題集です。
難関校対策
割合の問題に特化した問題集、というより他の記事でも繰り返し紹介している難関校受験生におすすめの問題集を再掲します。
算数プラスワン問題集 [東京出版]
難関校を目指す子どもが、5年生後半頃、一通りの勉強が終わりさらに発展的な内容に取り掛かる前におすすめなのがこの算数プラスワン問題集です。
また、中堅校志望の6年生が一通りの復習をする目的で使用するのもおすすめ。
様々な領域の問題が収載されています。
入試に必要な「何を使って解くのかの見極め」をする力を養成することを目標としており、自宅学習メインの子は当然として塾に通われている子にもおすすめです。
算数 合格へのチャレンジ演習 [東京出版]
難関校受験生におすすめしたいものの一つに、月刊誌「中学への算数」があります。
それ自体の定期購読もおすすめなのですが、この合格へのチャレンジ演習は「中学への算数」の中でも難しい「発展演習」で取り上げられた問題が厳選されています。
難関校受験生にはチャレンジしてほしい問題集です。