灘中の算数入試問題を不定期に解説しています。
(最新の2023年過去問は以下の過去記事を参照ください)
kishi-john.hatenablog.com
kishi-john.hatenablog.com
今回は2021年1日目の1番、計算問題です。
入試レベルとして比較的容易な難易度なので、難関校受験生は確実に得点したい問題です。
難関校受験を考えていない受験生でも、比較的容易な難易度の計算問題なので解いてみてはいかがでしょうか。
計算問題は分数の表示が必須であり、はてなブログで正しく表示するためには、はてな記法での表記が必要になる(技術的に私にはやや難しい)ため解説を止めようと考えていました。
ただ、灘の算数では計算問題にも面白い問題が多いため、逃げずに取り組んでみようかと思います……。
2021年 1日目大問1 難易度★★☆☆☆
解法
問題文の右辺は、 となるため、これを計算すると43です。
また、左辺を計算すると
つまり、になります。
よって、問題文は
と書くことができます。
両辺を43で割り、両辺にをかけることで以下のように変形できます。
この式の左辺を計算すると、 となるため
47を右辺に、 を左辺に移動することで
つまり、
ここから、答えは11と分かります。
解説
□を含む計算は、慣れない間は□を含む項全体(この場合であれば、 の部分)を〇など他の記号に置き換えた方が考えやすいと思います。
そうすると、この問題は次のように書くことができます。
この問題で〇を出すのは、特にコツも何もなく計算するだけでOKです。
今回の計算問題はほとんどひねりが無い素直な問題でした。
難関校受験生であれば、このレベルの問題はミスせず短時間で解きたいところです。
ちなみに例によってその年の西暦(2021)は計算途中に出てきており、受験年(西暦)の素因数分解程度は把握しておいた方が良いと思われます。
問題集の紹介
計算問題は中学受験で非常に重要なテーマの一つです。
当ブログは灘中の算数を取り上げていますが、おそらくどの中学でも毎年出題されると思います。
この問題は標準的な難易度(入試問題としては基本的な難易度)で、比較的素直な問題です。
この問題に詰まってしまった人は、まずは基本的な問題をしっかり解けるように対策しましょう。
この問題はできたという人でも、さらに色々なパターンの問題を解くことが難問を解くコツです。
今後難関校受験を考える方はたくさんのパターンの問題を解いてみてください。
(問題集に関しては当ブログでも紹介しているので、良ければ過去記事をご覧ください)
kishi-john.hatenablog.com
計算問題に関しては、基本的なレベルは市販(もしくは塾の)ドリルを使って問題演習を繰り返すのが良いと思います。
ここでは、入試レベルの計算問題を解くにあたっておすすめの問題集を紹介していきます。
中学入試基礎ドリ 算数 計算問題 [文英堂]
計算問題は繰り返しが基本ですが、ある程度以上のレベルになってくると計算の工夫をいかに上手に使えるかも重要です。
この基礎ドリシリーズは、ヒントを見ながら穴埋め問題を解いていく1回目から入試問題の4回目まで、同単元を4回繰り返す構成になっています。
入試レベルの計算問題を解くうえで必要な解法のコツが無理なく学べるため、非常におすすめです。
問題をコピーして繰り返し解けるようにしている作りも、親切で良いですね。
中学入試 分野別集中レッスン 算数 計算 [文英堂]
このシリーズも基礎ドリと同様に、基本的な項目から入試基礎レベルまで網羅する内容となっています。
(出版社も同じなんですね)
また、これも基礎ドリと同様なのですが比較的薄いため、子供が終わらせるというモチベーションを持ちやすいのも良いです。
なんと2週間で終わるという分量なのに、中学入試レベルの計算問題に必要な最低限のエッセンスは詰め込まれておりおすすめです。
中学入試でる順過去問計算合格への920問 [旺文社]
パパ塾をしている際に、個人的にでる順シリーズはとても重宝していました。
というのも、分野別に入試レベルの基本~標準的な良問が掲載されており、単元の理解に非常に有用だったからです。
この計算も例にもれず単元ごとに良問が揃えられており、計算の工夫など入試レベルの計算問題を解くための基本がわかっている層の問題演習におすすめです。
中学入試チャレンジ問題 算数 計算問題 [受験教育社]
中学入試中堅校からやや難関校レベルの計算問題がかなりのパターン網羅されている、入試レベルの計算問題を解くうえで最適な問題集です。
□を求める問題や虫食い算など中学入試頻出の計算問題だけでなく、数列の問題や数の性質などかゆいところに手が届いた問題も掲載。
さらに文章問題で必要な計算なのか、割合や速さの問題も載っているため非常におすすめな問題集です。
(我が家の近くだけかもしれませんが、最近本屋さんに置いていません……。Amazon等では買えるようなので、興味があれば以下のリンクから探してみてください)
最後に
当記事は、冒頭にも書いた通り「はてな記法」という記載方法で書いています。
(普段は「見たまま」という記載方法で、wordの様に文字通り見たまま書いています)
このため、プレビューで適宜確認しているつもりですが変な表記になっている部分があるかもしれません。
もし誤記載等を見つけられたら教えて頂けると助かります。
また、はてな記法における分数の表示は、以下の記事などを参考に書かせて頂きました。
shizenkarasuzon.hatenablog.com
例えば、というものを表記しようと思うと、次のように入力する必要があります。
……正直ややこしくて苦手です。
今回の記事で解法の部分は短いですが、手抜きではないんですよ(言い訳)。
今後もなるべく計算(というより分数の問題)から逃げずに解説していこうと思います(あくまでなるべくです……、善処します)。